ロリポップガンナー

©コンスタンツァ キルシェ/小指のワルツ/トミーウォーカー

ケニアの中心で愛を叫ぶっス!

歌唱技術は未熟である。
躍動的に跳ね回るボリューミーなツインテール、鼻梁にそばかすを浮かべた快活な顔立ちはおてんばな子猫のように愛くるしいが、美男美女ぞろいのフェス参加者の中にあってとびぬけたビジュアルとはいえない。誤解を恐れずに言えば十人並のルックスだ。

彼女の歌にだれにも負けない魅力があるとするなら、そう―
爆発的な歌唱力の一点に尽きる。

鍛えられた肺と喉から放たれ青空を貫く歌声はまさしくライオンの咆哮、技術力の不足を補うかのごとくバイオレンスギターの速駆けのメロディラインが、澄んだ歌声にソリッドな厚みを付与する。

そこに目一杯手足を動かし、「アタシを見て」と全身で観客にアピールするパワフルな振付けが加われば、端的に無敵。
しなやかな一挙手一投足に弾けんばかりのフレッシュな情熱と若々しい生命力が漲っている。
晴れ渡ったケニアの青空の下、ときに宙返りバク転をキメ、天高く放り上げたマイクを肉球手袋で見事にキャッチしてみせる。

アクティブにアグレッシブに、あくまでもパワーで押しきるスタイル。
ロリポップガンナー……砂糖菓子の弾丸に恥じないパフォーマンス。

今回のナンバーはどれもスタン自身が作詞作曲した曲、恋に悩む思春期の等身大の女の子の心情が切々と歌われている。
アップテンポのポップな曲調で踊りたくなる「恋するライオン」、片想いの苦しさと切なさを織り込んだメロウなバラード「午前二時のコーヒー」、喧嘩別れした彼氏へ不満をぶちまける少々過激な「ショットガンマリッジ」……

彼女の歌声は率直だ。
まるで飾り立てるということなく、恋する女の子の気持ちを素直に唄っている。

「それは……アタシも恋するオトメだからっスかね」

大好きな恋人の顔を思い浮かべながら一曲一曲心をこめて書いたとのろけるスタン。

どこまでもポジティブな新人の今後に注目だ。

・・・・

セットリスト

1 「恋するライオン」
2 「午前二時のコーヒー」
3 「カウガールの誤算」
4 「チャイルドディッシュ、チャイルドライク」
5 「ショットガンマリッジ」
6 「ねえ、」
7 「ロリポップの弾丸は撃ちぬけない」